梅雨時や真冬など、雨や雪のおかげで身に着けるものが濡れる可能性が高い季節は、衣服やシューズに防水スプレーをかけて、水がしみこまないように手を打つことも多いでしょう。着る物や履き物に水がしみこむと、冷たくて不快に感じるだけではなく、体が冷えて、状況によっては危険でもあります。
衣服やシューズに使う防水用のスプレーには、フッ素コーティング剤が原液として含まれており、防水効果を発揮する本体は、フッ素樹脂の被膜です。防水スプレーを衣服や靴にふきかけることで、成分のフッ素樹脂が製品表面に薄いバリアを形成し、そのバリアが生地への水の侵入をブロックするのです。このバリアは、大きな水滴だけではなく、微細な水蒸気も同様にブロックしてくれます。
そのため、防水スプレーを使うと、防水だけではなく防湿対策も同時に取れることになります。衣服にせよ靴にせよ、雨や雪に濡れた後、水分をふき取って保管しないと、蒸発した水分が湿気となって生地を劣化させる恐れがありますが、防水スプレーでお手入れしていれば、防湿効果も発揮されるので安心です。このように、フッ素コーティング剤は、防水と防湿という二つの効果を一つの加工で発揮できて、非常に便利です。