屋外の建築現場に、新しい建物を建てるのに使う建材が積まれているのをよく目にします。大きな建物なら使う建材の数も多く、施工期間が長い場合は、かなりの長期間、建材が屋外に置かれたままになります。梅雨の季節なら雨にさらされる時間も長くなり、また、仮に天気がよくても、ドリンク類をこぼして汚したり、空中の湿気を吸い込んでかびたりする心配もあります。
こうした問題への対策として、フッ素コーティング加工が考えられます。予め建材にフッ素コーティング加工を施すことで、建材は撥水性と防湿性という新しい特性を持つようになります。撥水とは、建材表面から水をはじく性質で、防湿とは、空中に存在するごく小さな水蒸気の吸着も防ぐことを指します。
この両者の特徴を備えることによって、屋外に保管されている建材は、雨水や水溶性物質で汚れたり、湿気で嫌な臭いがついたり、カビで変色したりすることもなくなります。撥水ならびに防湿対策がきちんとされていない建材は、汚れるだけではなく、腐って弱くなる恐れもあり、建物に使うには危険な場合もあります。フッ素コーティング加工は、その防湿効果と撥水効果によって、建材の品質レベルを維持するのに大きな貢献をしています。